第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
その日、俺は謙也の家で一緒に試験勉強をしていた
「あーナンでこんなに範囲広いんっちゅー話や!!!」
「ここまでは覚えな危ないで」
「もう覚えられへん...」
謙也はペットのイグアナを抱き上げ寝っ転がる
「謙也、スピーディーちゃんつぶれてまう」
「せやかて覚えられへんもん、白石はえーなー頭よくて」
「謙也かてそんな悪ないやん」
「それはいつも白石にマヤ見てもらってるからやなーそれに今回はもノート見してくれたし♪」
謙也は嬉しそうに言いながらスピーディーちゃんをゲージに入れる
「頭いいだけあってノートむっちゃ解りやすいし、この前のテストも10番以内入っとったし...」
「せやったなぁ」
「こん間の体力テストも女子で一番やったちゅー話や!」
「へー」
「まぁ足の速さはオレんが速いけどな♪」
「うん、女子と張り合う時点で小さいし、そろそろ勉強しよな」
その一声に机に向かったのを確認んすると俺は再び公式を解いていく
「なぁ...白石」
「んー?」
「って好きなヤツおるんかな?」
「さーどうやろ」
「なんや興味なさそうやな」
「んー」
俺はないよりむしろ興味ある話だったが謙也の集中力のなさに呆れつつ適当に返事を返していた
「そうか...安心したわ」
「え?」
その声に俺は漸く手を止めた
「なんやオレてっきり白石はんコト好きなんやと思とった!!」