第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
好きだと気付いたらお互いが気になって仕方ない
でも相手の気持ちを知らない2人は今までと変わらず接していた
ただ、前よりは少しお互いの距離が近づいた
そして空気が甘くなった気がしていた
それは皆でレギュラー用のロッカーの中を片付けに来ていたある日のこと、
皆が作業している間、やるコトのない私は椅子に座りお菓子を食べながら皆を待っていた
「あー!!千歳今頃来よって!!」
「ごめんたい~」
時間にルーズな千歳は片付けが終わるころやってきて、
へらっと笑う千歳と目が合うと仕方ないなとニコッと微笑んだ
「ちゃんと時間守らなアカンやろ?」
「ごめんたい白石、そんな怒らんとって」
「なんか罰でも与えんと直らんか?」
「そんならポッキーゲームよ~❤」
蔵と千歳の間に小春ちゃんが割って入る
「ぽっきぃげーむ?」
「千歳きゅん知らへんの?」
「聞いたコトはあるばってん..」
「せやなぁ、ちょうどが食べとるし遅れてきた罰っちゅー話や!」
「? なら俺はとしたらよかと?」
「はぁっっ!?んなワケあるかいっ!!!するんは小春か別のヤツと―――」
謙也の話を聞いていないのか、千歳は私の肩に手を置き、片方の手で私の手を握るとちょうど食べていたポッキーの反対側を咥えた
「.......!?」
まさか自分に来るなんて思っていなかった私はそのまま固まってしまう(そうじゃなくても手と肩を制されているから動けないんだけど)
少し食べていたポッキーは思ったより短くて間近に千歳の整った顔が迫った