第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
つれてこられたのは保健室だった
もう暗くなってきているせいか保険医はいなかった
蔵は私を椅子に座らせると私の前に立った
「...服脱いで」
「え?」
急な内容に私は言葉を失う
「聞こえんかった?服脱いでって言ったんやけど」
「......や、やだ」
蔵の言いたいコトは解る
だからこそ嫌だった
「俺が脱がしたってもええんやで?なんなら全部脱がそうか?」
蔵は私のスカーフに手をかける
それを慌てて止めた
「ちょっ!!そっちは大丈夫だから...本当に」
蔵は手を離すとそっと肩に手をかけ私からカーティガンを脱がせた
「つ.....ッ!!?」
白石は息を漏らすと眉をひそめた
の細くて白い手は赤く腫れ上がり、至る所にすり傷があって見るからに痛々しかった
「何で..こんなんなってんのにほっとくんや..」
か細く聞こえたその問いに私は答えずに俯いた
蔵は薬品棚から消毒液やガーゼやらを持ってくると
私の前に膝まづいて消毒していく
手際のいい様子を眺めていると蔵はふと手を止め私を見てきた
その近さに少しドキッとする
「痛くないか?他にケガしてるとこない?」
すごく優しい言い方に私は慌ててコクコクと頷いた
蔵がはぁーと大きく息を吐く
そして消毒液を机に置くと、私に手を伸ばしてくる
驚いた時にはもう私は蔵の胸の中にいた