第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
教室を飛び出した私はトボトボと廊下を歩いていた
(は~やっちゃったな..)
今は後悔でいっぱいだった
なんであんな言い方しちゃったんだろ
蔵、怖かった
毒手..出されなかっただけいいのかな
私は自嘲気味みに笑うとはぁ~とため息をついた
「明日からどうしよ...」
蔵や謙也にあんな態度をとってかなり気まずくなってしまった
どういう顔で会えばいいのか―――
「!?」
考えていたその瞬間、急に肩をつかまれグイッと体が反転した
「....やっとおった」
その人は私の肩に手を置いたまま息を切らしている
「蔵...」
「校内中探したわ、話あんねん」
「わ..私は話すコトなんて..」
私は急に現れた蔵に動揺して慌てて後ろを向き歩き出す
「ちょ、待ってって!」
「っ....!!!」
蔵が咄嗟に私の左腕をつかむ衝撃に私は耐えられず顔を歪める
「もしかして...」
蔵はそっと手を離すと反対の手を握りしめ引っ張っていく
「く、蔵!?どこに...」
「ええから」
そんな私達の様子を校内に残っていた人達が驚いた顔で見ている
私は顔が熱くなり視線を伏せる
「蔵離して..みんな見てる..」
「ええから!!!」
強い口調の蔵はさっきの怖い顔ではなくすごく悲しそうな顔に見えて
私は目頭が熱くなった