第2章 ~prologue~
四天宝寺
このお寺の様な外観には目をまばたせた
「すご...」
門の扉を押してみるが開く気配はない
世間は春休みなのだから当たり前のような気もするが
私はあからさまに肩を落とした
(残念...中も見たかったのになぁ)
結構、家からも近いのでたぶんここに通う事になるだろう
学校を見ておきたかっただけにすごく残念で仕方ない
帰ろうと身を翻した時、微かに音がした
(この音...)
私はこの音を知っている
門伝いに歩いていくと次第に知っているこの音は
大きくなっていく
白壁に囲まれた視界が開けていくと壁続きにフェンスへと
変化する
「やっぱり!」
は思わずフェンスに手をかけて食い入るように見つめた
そこには、黄色と緑の派手なユニフォームに身を包んだ男子学生達が黄色いボールを追いかけている
その黄色いボールはにとって身近なものだった
テニス
は暫くの間その光景を眺めていた