第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
「っ....!!」
まさか手を出してくるなんて思わなかった私はそのまま強打した
その瞬間、左手にするどい痛みが走る
(やば...)
顔に出すと何かと面倒だと思った私は痛みに耐え相手を見据える
「な~どうやって白石くん達落としたん?私らにも教えてーな特に白石くん、カッコエエもんな?」
「...別に私は―――」
「でも白石くんてなんや変わってるゆーかちょっとヘンなトコあるやん?」
その言葉に私はピクリと眉を動かした
「だって告白してきた女子片っ端からフッてるてちょっと調子のってるんちゃう?」
「あ~確かにな、どーせテニスも目立とうとしてちょこちょこっとやってるだけやできっと~」
そう言って笑う女子達に私はもう我慢ができなかった
私は蔵のコトを言いだした子の前に歩みよると頬を引っ叩いた
「きゃっ!!」
「蔵のコト..何にも知らないのに好き勝手なコト言って..っ」
「はぁ!?なんやのコイツ‼︎」
「許さないから!!!取り消して!!!」
私達の大声に気付いた先生達が駆けつけるまで、私の怒りが治まるコトはなかった
私は頬杖をついて無表情のまま外へ視線を移していた
さっきまで駆けつけた先生に理由を聞かれていたが
私は一言も話さなかった
相手は私から急に殴られたと言ったらしく
でも頬を叩いただけで大事にしたくないとただのケンカというコトで落ち着いたみたい
私はズキズキと痛む左手を隠すようにカーティガンを羽織った
「!!」
暫くするとドアが開かれて、蔵と謙也が入ってきた