第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
マネージャーになって早数か月、地区予選(夏休み)までもう少しというところまでやってきていた
友達もできた
みんな蔵達と親しくできて羨ましいって言われる
やっぱりテニス部はすごく人気があってファンクラブがあるコトも最近知った
だからたまに影で嫌味をいわれたりしたけどあくまで影であって直接どうこうないし、私も全く気にしてなかった
もし私がテニス部の誰かを好きだとしたらやっぱりイヤだもん
それでもご飯を食べたり一緒に過ごすのはやめれない
だって私の中で、皆の存在はかなり大きくなっていたから
――――――――――
私は部活が始まる前にトイレへと向かう
すると鏡の前で何人もがたむろっているのが見える
いつも化粧しながら愚痴をこぼしていて、私の事もムカつくやら性格悪いだのさんざん言われた
(別のトコ行こーかな)
私は踵を返した時、聞き覚えのある名前が聞こえてきて足を止めた
「なー、2組の今日も白石クン達と一緒やったで?」
「あんな性悪女のドコがええんやろ?」
勝手なコトばっか言ってる
私はあなた達と一度も話したことないのに
普通の子だったら泣いたり落ち込んだりするんだろーけど
むしろ全然平気だ
「マネージャーもオサムちゃんたぶらかしてなったんちゃうの?
「あ~顔だけはマシやもんな、おっさん騙されそう(笑)」
今のはちょっとムカついた
私のコトは別にいいけどオサムちゃん出さなくていいのに
これ以上ヒートアップされると変なコトまで聞きそうだと思った私はドアを開けると堂々と中に入っていった
私の姿を見た途端、話すのをやめた女子達に視線を巡らすとどいてと一言いい、蛇口をひねる
「な、なんや聞き耳でもたてとったん!?ほんま性悪やわ」
焦って声が上擦っている人達の悪口なんて全然聞こえない
私は後ろから何を言われても答えるコトなく手を洗っていた
「ちょ、シカトすんなや!!」
「...別に」
それだけ言う私の顔はとても冷たくみえたに違いない
そんな態度に余計にカッときたのか一人が腕をつかみ、私を壁へと突き飛ばした