第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
「マネージャー欲しくないか?」
「は?」
「マネージャーや、しかも女ん子や」
その言葉に私はハッとする
「オサムちゃんそれってもしかして..」
オサムちゃんはにっと笑みを浮かべると空いてる方の手で私の頭をぽんと叩いた
「一から何も知らんトコにはいらされるよりよっぽどええやろ?」
「オサムちゃん...」
「それに俺はなんたってテニス部顧問やし!おーし、決まりや!!」
「でも...」
私は急なコトでまだついていけてなかった
私がテニス部のマネージャー?
そんな考えを白石君の声が現実に戻した
「ちょっ..マネージャーは絶対に取らんってゆうてましたよね?」
「あーゆうてたな」
「それに後半年くらいで俺ら引退やし..2年から部長やってきてるけど雑務多すぎてめっちゃ大変やし」
あ、ほら..白石君は反対してる
いきなりそんなコト言われても納得できない
現に私だって戸惑ってる
「いいよオサムちゃん、気持ちは嬉しいけど――」
「白石、そんなんが言いたいのと違うよな?」
「ぇ...?」
私が白石君をみると、白石君はバツが悪いように視線を泳がせた
「~~~~~やから!マネージャーなんてホンマに大変やし、重労働だし..オサムちゃんの勝手で決められたら..可哀想やん」
「白石君...」
「はははっ!!ホンマに言うたわ」
オサムちゃんは傑作とばかりにお腹を抱えて笑っている
「は~..むっちゃ笑かせてもろたわ、やっぱ部長サイコー」
「....うっさいゎ」
少し頬が赤い..?
そんな白石君を見て、私もクスッと笑ってしまった
(この2人..面白くなりそうやな..♪)
オサムはそんな2人を見るとホウホウと頷き踵を返した
「ほんなら!!そーゆーコトでええか?」
「は、はいっ」
「ちょっセンセ、話はまだ―――」
「後は任せるで~部長」
オサムちゃんは白石君が持っていたバインダーをスルリと奪うと手をヒラヒラさせて出ていてしまった
残された私たちは黙ったまま顔を見合わせるのであった