第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
その日私は放課後、渡邊先生に呼び出されていた
「おー♪来たか」
そう言うと先生は生徒指導室のカギをカギ棚から取ると
クルクル回しながらついといでと促した
(生徒指導室って..なんかやったかな?)
考えてるうちに生徒指導室前につき、先生は鍵を開けると
中へと入っていく
「適当に座りー」
私が席につくと、先生は上着のポケットから
少しシワシワになった紙を取り出した
「これ見てみぃ」
そこには、テニス・サッカー・バスケといった球技や、
将棋やお笑い研究部などの名前も並んでいる
「先生あの...」
「先生やなくて皆みたいにオサムちゃんでええで」
ニカッと笑う姿に私は悪い話じゃないと思い、笑顔を返す
「じゃ、オサムちゃん..これこのガッコの部活?」
「せや!うちは部活動奨励、つまりは皆なにかしらの部活に入らなあかん、は3年やし今からじゃ入れるトコロは限られてくるんやけど..」
「え?...うーん...」
急にそんなこと言われても
私はプリントに書かれた名前とにらめっこしていた
「ちなみに今入れるのは文化系の同好会とかやな、興味ないか?」
「無い訳じゃないけど..運動部とかない..よね?」
「今からやと難しいな~」
私はうーと息をつくと机にうっぷし項垂れる
「なんかやっとったスポーツでもあったんか?」
オサムちゃんは慰めるように私の顔を覗きながらポンポンと頭を撫でた
「.....テニス」
私は少しだけ顔を上げるとポツリと呟いた
「軽くやってたくらいだけど..」
「テニス..ホンマか!ん??..」
「オサムちゃん?」