第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
いつの間にかさんは帰っていて、俺は部室で帰る支度をしていた
着替えながら皆、さんの話をしている
「へ~、ならあん人が転校生やったんすね」
「財前知っとるんか?」
「2年の奴らが騒いでました、むっちゃ綺麗な人が3年におるって」
「せやろ~?俺同じクラスやねん!!財前羨ましいやろ!?」
「...別に、てか謙也さんが威張るコトやないし」
「光きゅんナイスツッコミやん♪」
「俺は小春一筋やけど、まぁ確かにベッピンよな」
「せやねん!!俺の名前も覚えとってくれたし、めっちゃエエ子やねん!!!」
謙也のぶっちぎりの褒め方にはあれやけど確かにと納得する所はあった
「白石はどう思う~?」
「へ?」
突然の謙也のフリに俺は気の抜けた声を出す
「なんちゅう声出してんねん、やからサン!!
白石はどう思う?」
「....せやな、ええ子やと思うで?」
「せやろ、せやろ!?」
謙也はニカッと笑うとまた財前達に絡んでいった
(謙也テンション高いな~、そんなにさんと話せたんが嬉しかったんやな)
(コートに出た時、皆もむっちゃ楽しそうやったし...)
「さん...か」
「白石なんか言うたー?」
「いや?」
ポツリと呟いた俺の声は皆に聞こえてなかったみたいで
俺はバタンとロッカーを閉めた