第6章 ~ZAIZEN HIKARU~
最近、部長とおる機会が増えた
旧部長と新部長、引き継ぐコトがぎょーさんあって、引退してからも部長は部活に顔を出していた
「部長、これでエエんですか?」
「おーエエで!って...財前、今はオマエが部長やで?」
「いや、最初からそう呼んでたんで...」
「蔵之介さんでも蔵リンでも何でもあるやろ?」
「いや、いいっすわ」
「オマエな...まーええけども」
部長は部誌を書留めていた手を止める
「なぁ財前」
「何すか」
「オマエ...オレがんコト好きて思っとるやろ?」
「!!」
オレの微かな動揺を察したのか部長は笑った
「図星か」
「...いきなしなんなんスか」
「ん?誤解は解いとこ思てな」
「は?」
「オレはのコトなんとも思ってへん」
「ウソや」
「ホンマて!...まあ少し前まではそう思っとったけど」
淡々と話す部長は嘘を言ってるようには見えない
オレはあまりの驚きに無意識に喉を鳴らした
「全国大会終わってすぐやったかな?オレも引退やしそろそろモーションかけたろてにカマかけてん...
そしたらな、アイツ好きな人おるいうて」
部長はハハッと悲しそうに笑う
「そんなん...部長のコトかもしれんやないですか」
「いや、ちゃうねん...オレな?そん時、ショックっちゅーよりが幸せそうに話すん見たら...〝ああ、よかった”って...そう思ってん」
じゃあなんでさっき悲しそうな顔したん?
そう思いながらもオレは黙って聞いていた
「それにな?こん前、財前とが抱き合うてるの見て、めっちゃ嬉しかってん」
「!」
「んコトも財前んコトも大好きやから...そんな2人見た途端、全部吹っ飛んでしもたわ」
ハハハッと笑う部長にさっき見た悲しみはもう無くて
いつもの部長だった