第6章 ~ZAIZEN HIKARU~
部長の話を断ったオレは行くあてもないまま適当に歩いていた
そこに息を切らしたが現れる
「こんなトコにいた♪」
ニコッと笑うの表情で何を言いにきたのか悟る
「止めにきたんすか」
「ふふっ、当たり...テニス、面白くなかった?」
「別に...まぁ最初はセンパイらの勢いに押されて何となく始めましたけど」
「でも今は違うんだ?」
「...勝ったもん勝ち、勝ちにこだわる姿勢とか誰かと協力して戦う楽しさ、そういうの教えてくれたんもあの人らなんです」
「うん...」
はオレに近寄るとキュ、とオレの手を握りしめた
「ちゃんと聞くよ...光が思ってること全部」
オレを見つめる瞳に情けないオレが映っている
オレは見たくなくて視線を伏せた
「...オレにテニスの全て教えてくれた人らが辞めて...
そんな後のテニス部に、何の意味があるんやろって...」
小さい溜息と共にクスッと笑う声が聞こえオレは顔を上げる
「バカだね光は...」
「ぇ...」
「蔵たちが抜けて意味がなくなるんじゃないよ、今度は〝ソレ”を光が後輩と築き上げていくの...本当は分かってるんでしょ?」
「そんなん...」
そんなんわかってる
ガキ扱いされるん大嫌いやのに
こんなんただのしょーもないガキや
ただ
ただ素直に寂しいて
「言えないよね...」
「っ......」
オレはの言葉に唇を噛みしめ、を抱きしめた
いや、抱きしめてもらいたかった
そんなオレを、は優しく抱きしめ返してくれた