第6章 ~ZAIZEN HIKARU~
月日が経って、全国大会も終わり
センパイらの夏は終わった
それと同時にセンパイらがいなくなる
の引退が迫っていた
「なぁ財前」
「何です?」
「...次期部長、頼まれてくれへん?」
部長からの引き継ぎ
いつかくるとは思っていた
でもオレは表情を崩さずにこう言った
「はぁ...ムリっすわ、オレ部辞めるし」
―――――
部室では落ち込む白石を囲んで皆が騒然としていた
「は!?財前のヤツ部活辞めるやて!?」
「そう言ったアイツ...」
「どないすんねん!?次期部長はアイツしか...いや、それより何で辞めるやなんて...」
「蔵、光は何て言ってたの?」
「それが...」
――――――
「なっ、急に何言いだすねんっ!!」
「元々、センパイらがどうしても数足りひん言うから入っただけですし...今の四天宝寺にはぎょーさん部員もおるやろ」
「――――.....って」
「アイツ...口は悪かったけど何やかんやテニスには熱いヤツや思ってたんやけどな...」
「せやな...」
「...そうかな」
しんみりする部室にの呟きが響いた
「?」
「私ちょっと行ってくる」
はそれだけ言うと部室を出て行った
「なんやアイツ...ドコ行ってん」
「...一番よく分かってんのはかもしれんな」
「は?どーゆーコト?」
「.......」
白石は答えずに黙ったまま扉を見続けていた
一瞬見せたくやしそうな色、そんな表情に気付く人はいなかった