第6章 ~ZAIZEN HIKARU~
ついにここまできたか...
オレはハッと息を漏らした
(オカマにまで妬くやなんて...オレも躍起が回ったな)
そんなコトを考えながら廊下を歩いていると、遠くの方に部長を見つける
部長は下級生が重そうにしていた大量のノートを持ってあげていた
そして掃除時間、裏庭の掃除に行くと告白されている部長の姿、しまいにはオレが保健室にサボリに行くと、ベッドでスヤスヤと眠っていて
(――――...ホンマどこにでもおるな、この人)
疲れているのか全く起きる気配のない部長を見つめる
「キレーな顔...」
やっぱモテるだけあって男でもキレイな顔をしている
いや、それだけやないな
作りモンやのうてホンマに優しい
こんなオレにだっていつも気にかけてくれるし...
(自分には厳しいのに...)
アホみたいに努力しの四天宝寺の聖書で
オレらの部長
オレが
心底尊敬しとるセンパイの一人
これが...あの人の好きな顔
これが...あの人の好きな声
(あの人がホレるんも分かるっちゅーか、むしろ当然っちゅーか)
なんやろうホンマ
「...部長」
「ん....ぇ..何...んっ!?..んんあっ!!?」
オレは部長の腹の上に体重をかけ腰かける
「財前!?う、ええっ!?ちょ、なんなん!?くるし...」
「授業終わったんで起こしたろ思て」
「おま...オレ先輩やぞ?もうちょっと優しく..」
ホンマ...ムカつく
敵うはずあらへんあんなん
「あーもう、オレかて寝たいんスから早よ退いてください」
「いや、せやから先退いてくれんと」
「あーもう!!」
オレは呆れるフリをして手で顔を覆った
「はよ退いてー光くーん?毒手だすでー?」
カッコよすぎや、アホッ!!!!!!
そんなヤツがのコト好きやったら
敵うはずないやん