第6章 ~ZAIZEN HIKARU~
好き
一度そう思ってしまうとそう思えてくるから不思議だ
恋は盲目?とはよく言ったもんで
確かに前よりが可愛くみえてしゃーない
「もー光!!ぼーっとしないで真面目にしてー」
オレに向けてくるふくれ面でさえ可愛く見える
(オレ...重症やな)
オレはの頭をポンポンと撫でる
「え?なに?」
「いや、可愛えなと思いまして」
「なっ....///またバカにしてる!!」
同じ背くらいの年下のヤツにこう頻繁に〝可愛い”言われたらまぁそういう反応になるやろな
オレは自覚してからによく可愛いと言うようになった
少しでもオレを意識してくれたらと思っての行動だったが、
は小馬鹿にされてるとしか思ってない
(本当に思ってんのに...)
オレは小さく息を吐くと、練習を再開した
球を打ちながらを視界で追う
は部長と話している
(また部長と...)
気になりだしたらキリがないが、部長と2人でいる回数は格段に多かった
部長しかりの顔は柔らかく、いつも笑っていて
やっぱ前から思っていたコトだけは間違いじゃないんだと再認識される
(不毛な恋...)
オレはその考えを振り払うかのように練習に精を出した
叶わん恋でも
オレにとっての
初恋だったから