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四天恋物語★テニスの王子様

第6章 ~ZAIZEN HIKARU~


暫く歩いていると、が急に立ち止まった

「何か言って」

「そう、ですね」

オレは向き直ると、頭を下げた

「昨日のコト、謝らへんので」

「は?」

は驚きのあまり目を丸くした
まさかそんなコトを言われると思ってなかった
てっきり謝られると思っていたから

「でも...やっぱ勝手にしたんは悪いと思ってます、だから...殴ってええですよ」

そういって光は目を閉じた
どう言っても殴られる気なんだろう

はキッ睨むと掌を握りしめた

「じゃぁ、歯食いしばって」

その言葉に光が体に少し力を入れる
でもはそんな光を見ていたら次第に毒気が抜かれていく

「....まだ?」

恐る恐る目を開けたオレには目を細めた

「...もういいよ」

「え?でも...」

「抱きついたのは私が先だし...何かもうどうでもよくなっちゃった」

「はぁ...」

オレは納得できずに眉を潜めた

「しかも光は謝ってくれないし...何で?」

「なんとなく...」

「なにそれ」

そう呆れながらもは怒っていないようだった
そして急に視線を落としたかと思うと、オレの手を握った

「じゃあ...して」

「え?」

か細い声はオレに届かず、聞き返す
心なしか握る手は震えているように思えた


「仲直り....して」

「っ.......!?」

自分でも幼いコトを言ってると自覚してなのか、頬を赤らめ
不安げに見つめるその姿に、心臓がドクンと大きな音をたてた

オレがコクリと頷くと、は恥ずかしさに耐えられなくなったのかそのまま駆け出していった

「な....アカンやろ///」

自分で見んでも分かるくらい顔が赤うなっとる
オレは次第に早くなる鼓動を抑えるように胸に手を当てた
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