• テキストサイズ

四天恋物語★テニスの王子様

第6章 ~ZAIZEN HIKARU~


の唇はとても柔らかくて
とても甘かった

オレは名残惜しさを感じつつも、ゆっくりと離れた
は、驚いたまま固まっている

(あ、泣き止んだ...)

オレが他人事のようにそう思っていると、彼女は口に手の甲を当て、漸く思考がはっきりしてきたのか顔を赤らめた

「な...どうして///」

「なんで...でしょう」

「は?」

はオレの答えに目を丸くしている
それは当たり前だ
オレだって何で自分がこんな行動に出たか分からんのやから

「すんません、魔が差したというか...ムラッときました」

「ぇ...なっ、ええ?」

は混乱しながらも次第にまた目が潤んでいった

「ひどい...私、したことなかったのに...」

「あ....」

は一筋涙を流すと、走って図書室を出て行った

「....また、泣かせてもうた」

オレは小さく溜息をつくと壁に凭れた

「ただ...泣き止んでほしかったんやけどなぁ...」

オレの呟きは誰もいない部屋に微かに響いて消えていった



次の日、部活で顔を合わせてもことごとく避けられる
しくった、そう思い話しかけようとしても、逃げられる

そんなしてたらすぐに部活は終わり、オレは帰るフリをして
門でを待っていた

案の定、は帰る時間をずらして現れ、オレがの前に現れると、観念したのかオレの元へと近寄ってきた

「なぁに?」

「もう話してくれへんのかと思いました」

「...自覚はあるんだ」

「そりゃ...」

「...帰りながら話そうか」

オレ達は口数少なく歩き出した
/ 174ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp