第6章 ~ZAIZEN HIKARU~
の唇はとても柔らかくて
とても甘かった
オレは名残惜しさを感じつつも、ゆっくりと離れた
は、驚いたまま固まっている
(あ、泣き止んだ...)
オレが他人事のようにそう思っていると、彼女は口に手の甲を当て、漸く思考がはっきりしてきたのか顔を赤らめた
「な...どうして///」
「なんで...でしょう」
「は?」
はオレの答えに目を丸くしている
それは当たり前だ
オレだって何で自分がこんな行動に出たか分からんのやから
「すんません、魔が差したというか...ムラッときました」
「ぇ...なっ、ええ?」
は混乱しながらも次第にまた目が潤んでいった
「ひどい...私、したことなかったのに...」
「あ....」
は一筋涙を流すと、走って図書室を出て行った
「....また、泣かせてもうた」
オレは小さく溜息をつくと壁に凭れた
「ただ...泣き止んでほしかったんやけどなぁ...」
オレの呟きは誰もいない部屋に微かに響いて消えていった
次の日、部活で顔を合わせてもことごとく避けられる
しくった、そう思い話しかけようとしても、逃げられる
そんなしてたらすぐに部活は終わり、オレは帰るフリをして
門でを待っていた
案の定、は帰る時間をずらして現れ、オレがの前に現れると、観念したのかオレの元へと近寄ってきた
「なぁに?」
「もう話してくれへんのかと思いました」
「...自覚はあるんだ」
「そりゃ...」
「...帰りながら話そうか」
オレ達は口数少なく歩き出した