第6章 ~ZAIZEN HIKARU~
(さすがに...ちょっとビビった)
いなくなったのを確認したオレは、改めて自分の状況を確認する
はオレにしっかりと抱きついていて、目には涙が溢れている
(涙....)
「?もうゴキおらんようなったで」
オレはそんなの頭をポンポンと撫でる
でもはまだ怖いのか抱きついたままだ
「怖かったすね...」
何度も優しく撫で続けると、漸くはゆっくりと顔を上げる
「っ......!!」
俺はその瞬間、思い出してしまった
裏庭で初めて見た表情、の目は涙で危うく揺れていて、オレはゾクリと何かが這い上がってくる感覚に襲われた
なんやこの感じ
ゾクゾクと湧き上がる感情
(オレ...欲情してる.....?)
オレは自分でも分かるくらいの熱い吐息を吐く
「ごめん光...」
そういって離れようとしたの腰に手を回すと、オレはを引き寄せた
「ひ、かる?」
戸惑うの瞳はますます揺れていて
オレはもう片方の手で頬に手を添えると、の瞳から溜まった涙が零れ落ちる
涙で手の甲が濡れる
それをじっと見つめたオレは、そのまま顔を近づけていき
キスをした
(キスしたら...泣きやむかな...)