第6章 ~ZAIZEN HIKARU~
それから暫くしても、が泣いてるトコは見れない
あの涙の訳は一体なんだったんだろうか
やっぱりは今まで通り笑顔のままだった
図書委員の当番の日、オレは先生から言いつけられて新書をしまう作業を行っていた
(こんなにあんのに...あの先公一人でさせよって)
若干イライラしながら大量の本をしまっていると、ドアが開く音が聞こえる
「すんません、今日はもう閉館なんですわ」
「光っ!」
作業しながら答えたオレの元にが現れた
「どうしたんですか?」
「さっきそこで先生にあってね、光を手伝ってって」
「あの先公...別にやらんでエエですよ?」
「ほら、私も図書委員だし」
「なら....コレお願いします」
オレはいくつかピックアップした本をに渡すと脚立を持って作業を再開した
それから一時間くらいして、ようやく作業が終わり、オレ達は一息ついていた
「あーやっと終わった」
「お疲れ様、あと...ありがとう」
「何が?」
「光、ワザと本棚の下の方に並べるものばっかり選んでくれたでしょ?光は脚立に乗らないと届かないトコや重いのばっかり...」
「....気のせいすわ」
「んーん、やっぱ光は優しいよ...ありがとう」
(そうやってちゃんとお礼を言えるアンタの方がホンマに優しいと思うけど)
オレは立ち上がるとこわった肩を回す
「ならそろそろ帰りましょ」
「うん...!?」
はガタッと急に立ち上がるとオレに寄ってきた
「何か動いたっ!!」
「何かって...」
オレが聞き返そうとした時、足元を黒い物体がカサカサと横切ったのが見えた
「きゃっっっ!!!」
は驚いたようにオレの腕にしがみついた