第6章 ~ZAIZEN HIKARU~
それからオレは彼女のコトをと呼び捨てにする
一応先輩やから敬語は使うけど、たまにタメ口なったり、軽口叩いても、はいつも笑顔だった
「、何見てんの?」
「ん?これ」
しゃがんでるを覗いて見れば、黒い物体が行列を作っている
「むいむいの行列か」
「むいむい?」
その返しにオレはハッとして口を押えた
「いや、違くて...これは...」
「もしかしてむいむいって..アリ?」
オレは頬が熱くなるのを感じて視線を逸らした
「甥っ子!甥っ子がアリんコトそう呼んでんで...つい」
「そっか...関西弁でそう言うのかと思った...可愛いね?むいむい」
があまりにニコニコして話すから余計に恥ずかしくなったオレはの頭を小突いた
「ったー...何で殴るの?」
「...うっさいっすわ///」
オレはそれだけ言うと、部室に入っていった
「こらー財前、女ん子殴ったらアカンやん」
「謙也さん...別にちょっと小突いただけやし」
「でも珍しいな、財前が女ん子に懐くなんて...あーやからか」
「別に...てか覗きなんて気色悪いっすわ」
「なんやとー!?」
わーわー言ってる謙也さんを無視して窓からを見る
は部長と話していて、オレは目を細めた
部長がの頭を撫でている
さっきのオレが小突いた所、部長も見ていたんだろう
(オレの見たコトない顔...)
それを笑顔で応えるを見ていると、何故か面白くない
オレが触った所をすぐに上書きされた感じがして
何故だか面白くなかった
やっぱは部長のコトが好きなんかな
謙也さんには悪いけど、そう思った