第6章 ~ZAIZEN HIKARU~
それから数日して、いつものように部活に勤しんでいると、
急に部長が笑顔でフェンスの方へと向かっていった
フェンスに近寄るごとにギャラリーの歓声が大きくなる
部長がある人物の元へ行くと、歓声は悲鳴に変わっていた
(どんだけモテんねんあの人は)
でもファンに自分から近づくなんて珍しいこともあるもんやな
苦手なコト逆ナンと豪語までしてる人なのに...
オレはまぁ他人事やとラケットを握り直すと、練習を再開する
と、その時、
「おーい、財前!!」
部長が手招きして呼んでいる
オレは疑問に思いながらも部長の元へ向かっていった
「....なんですか部長」
「新しくマネージャー入ることになってん、でな、紹介しよ思て」
「はぁ...でも何でオレだけです?せやったら皆に紹介したらエエのに」
「ちゃんと入るんは明日からで今日は見学やねん、なっ!さん」
その声にフェンスに顔を向けると頭をペコッと下げる彼女がいた
「!!」
「こんにちは!」
「ぁ...どうも」
「やっぱ知り合いやったんや、いくら聞いてもさん教えてくれへんし」
「部長!ちょっとええですか~?」
「おー、ほんならちょう行ってくるから知り合い同士仲良うしときや」
「え?ちょっ...部長!?」
そう言って部長がいなくなりオレは彼女と2人きりにされてしまった
(なにを...話せっちゅーんや...)
知り合いと言っても二言三言話したコトある程度で、
顔見知りなだけやのに
そんな中、最初に話しかけてきたんは彼女の方やった