第6章 ~ZAIZEN HIKARU~
さっきの人...見たことない顔やった
1年?にしちゃ背高かったし...オレと同じくらいか...
それにやたら大人っぽかったから3年?
でも制服新しそうやったし...
そういや、なんや...キレイやった気ぃする
スラッってしよって髪サラサラで、目なんかパッチリで―――
そこまで考えてオレはハッする
(アホらし...なに考えとんのやろ)
オレはふぅと息を吐くとチラと後ろを振り返った
まださっきの辺りにいた彼女を一瞥するとそのまま門をくぐっていった
そしてあっという間に放課後になり、オレは部室で着替えていた
「ざーいーぜん!!」
「...なんすか謙也さん」
金髪で目がチカチカする先輩が肩を組んでくる
オレはテンションの高さにうんざりしながらも答える
「また開けたん?穴増えとるやん」
「まぁ...」
「でも何で一個付けてないん?」
「あー...朝無くしたんすわ」
「あら、そりゃ勿体ないコトしたな!折角の五輪カラーやのに」
なんか簡単にオレがしたかったコトがばれたんがなんやムカつく
オレは眉を潜めると謙也さんを振りほどいた
「なんや財前、つれへんなー」
「別につられたと思ってないですから」
「うわっヒドッ!!オレんこと先輩と思ってへんやろ!!」
「今頃気ぃついたんすか?相変わらず遅いっすわ」
「なんやと財前~!!!」
そんなコトを言いながらも周りは微笑ましく笑っている
こんなオレの言うコトも受け止めてくれる先輩達はオレなんかより、ずっと出来た人間やと思う
「まーエエわ、オレは今日むっちゃ機嫌ええねん♪」
「...何かあったんすか?」
「おっ!聞きたいか財前」
「いや、別に」
聞いたコトを後悔しながらも、謙也さんはそのまま話を進める
「今日な、ウチのクラスに転校生来てん!!」