第5章 ~CHITOSE SENRI~
「ん~....」
私はロッカーの上にある箱に手を伸ばしていた
でもいくら背伸びしても届く気配がない
(だめだ...全然届かない...)
その日に限って脚立も見当たらず、途方にくれていると、
ドアが開き振り返った
「千歳っ♪」
私は嬉しい人物に声のトーンを上げると千歳の元に近寄った
「ニコニコしてどげんしたと?そぎゃんオレに会えて嬉しかったとね」
「うん!千歳いい所に来てくれた!!」
私は話半分で千歳を引っ張るとロッカーの前へ連れてきた
「あれ取ってほしいの」
「この箱?」
「そう、皆出払ってるし脚立見当たらないし困ってたの」
「あ~だから嬉しそうに...」
「?」
首を傾げるに小さく溜息を吐き、苦笑いを浮かべると千歳は箱に向かって手を伸ばした
「ごめんね、ありがとう」
「よかよー」
千歳が箱を持ち上げた瞬間、思っていなかった重さに体が傾く
「あ....」
「え?」
そしてバランスを崩した千歳はの方向に倒れていき、2人して地面に倒れていく
「わぁっっ!?」
「きゃあっっっ!!!」
もの凄い音と共に崩れ落ち、千歳は慌てて上体を起こした
「ッッッ!!!大丈夫とッッッ!?」
「っ.....いた...」
横を向いて頭を押さえるに千歳は血の気がひく
190もある自分の巨体がもろに被さり地面に倒れたのだ
千歳は慌てふためきを見下ろした
「ほなこつすまんったい!!ぁぁぁぁ...頭打ったと?痛かね?あーどうしよ...打ち所とか悪かったら―――」
「ふ、ふふ....あはははははっ!!」
「?」
痛がっているはずのが下で笑っている
千歳は意味が解らずポカンとしていると、は漸く千歳を見上げてきた