第5章 ~CHITOSE SENRI~
マネージャーになって月日がたった
やっぱりテニスに関われるのは嬉しくて、私は毎日充実して過ごしていた
きっかけを与えてくれた千歳はというと....
相変わらず時間にルーズで部活はそこそこ出てくるものの
遅れてくるのは当たり前、授業に至っては半分も出てないらしい
今日もまた蔵に怒られていた
「こんな雨の中ドコほっつき歩いてんねん...ビショビショやないか」
「急に降ってくるけんビックリしたばい」
「ナントカは風邪ひかへんとか言うけどホンマにひいたらどないすんねん...大会ひかえてんの分かってんのかアホ千歳!」
「白石...そなこつ怒らんでも...」
「オマエこないだオレがやった傘ドコに放らかしてん!傘はなぁ、どんぐり芽生えさせる魔法の道具とちゃうねんぞ!!」
蔵が千歳の好きなジブリに例えているのを聞いて私は上手いなと勝手に思っていると、蔵のお説教から逃げた千歳が私の元へやってきた
「~白石が怖かー」
「千歳が悪いんだよ?自業自得」
私はそう言うと、タオルを取りだし千歳の頭を拭く
「に拭いてもらうのってやっぱ気持ちよかー♪」
「ふふっ...ホント千歳の髪ってフワフワしてるね」
「そうと?皆こん髪コンブって言いよるばい」
「コンブ?」
「黒くてウネウネ、でも気にしとらんよ!コンブはダシ取れるけん優秀と!!」
「クスッ...千歳ってヘンな人」
「変?」
「だってこんなびしょ濡れになるまで外にいるし、すぐどっか行っちゃうし...コンブだし?」
「ははっ!ついににまで言われっと」
千歳は笑うと拭いていたタオルを受け取り立ち上がった
そして近づくと、私の髪を一筋掬った
「の髪はサラサラやね~」
そして自分の口元に持っていくと唇に押し当てた