第5章 ~CHITOSE SENRI~
急な部外者の私にも部員の皆は温かく迎えてくれた
個性的で面白い皆に私は一瞬で大好きになった
「さんがテニスやってたなんてビックリっちゅー話や」
「ホンマやねぇ、でもウチ女子テニス部あらへんのよね~」
「折角こんだけ打てんのに勿体ないっスね」
結局、千歳のアップに付き合うつもりが皆と打ち合う形となっていた
「うん、でもこればっかりはしょうがないよ」
私はラケットを振り抜きながら答える
「でも...嬉しかった、こうやって皆と知り合ってこうして打ち合ったりなんかして...ありがとう」
そういうと私の放った打球はラインに鋭く刺さった
皆が感嘆の声を上げる中、私は千歳に向き直って笑った
「ありがとう、千歳♪」
その言葉に千歳も笑って応えてくれた
「は~...今のスゴかったなぁ」
「その辺の男子にひけとらんくらいや」
「あははっ女にしとくのもったいないでしょ?」
「せやな~」
皆で笑いあっていると、部室側の通路から声がして皆振り返った
「オマエらー何やってんねん」
「げっオサムちゃん...」