第5章 ~CHITOSE SENRI~
「え?」
突然の物言いにはキョトンと首をかしげる
白石は呆れたように大きく息を吐いた
「千歳くん?いきなし何言いよるかと思えば...アカンやろ」
「そぎゃんこつ言ってもアップする相手おらんっちゃもん」
「オレがおるやん」
「白石怖かもん、それに白石は謙也クンとすっちゃろ?」
「せやけど他にも...」
見渡すと皆ペアになってアップや打ち合いをしている
白石は眉を潜めるとに聞こえないように話す
「やからってな~部外者入れたらアカンやろ?いくらテニス経験者て言ってもやな...」
「....もうそんなコトまで話したと?」
「え....?」
一瞬、白石には千歳の顔が固くなったように見えた
でも次の瞬間にはいつもの柔らかい表情になっていて
「(...気のせいか?)あ、あぁさっきな」
「なら話早いったい、経験者やけん問題なか」
「オマエ話聞いてへんやろ」
「白石は固かね~、部活見学なら大丈夫と...ねっ!!」
千歳はに向きなおると返事を促した
「えっ?」
聞こえなかったは話が分からない
そんなに千歳はグイグイ話を進める
「もテニスしたかろ?」
「ぇ...そりゃ..」
「なら今からオレとすったい♪少しだけ...ねっ?」
「でも...」
私は白石くんをチラリと見やる
白石くんはハァと小さく溜息をつくと私に笑みを浮かべてきた
「そういう訳やから...さんお願いできる?千歳のワガママ聞いたってくれへんかな」
困ったように笑みを浮かべる白石くんに私は部長というのをしっかりと感じとっていた
(厳しいけど、とても優しいんだ...)
私のコトも考えて返事しやすくしてくれてる
そんな白石くんの優しさに私は柔らかな笑みを浮かべた
「私でよかったら...」
その返事に千歳はニコと笑うと私をコートまで引っ張っていった