第5章 ~CHITOSE SENRI~
「はいっ早く行って!!」
私は千歳をコートまで連れて行くと、ポンと背中を押して促した
「はいはい...」
千歳はしぶしぶと言った感じで部室に向かっていった
それを見届けていると千歳は丁度、部室から出てきた部員の一人に怒られていた
(やっぱり...)
怒られている時もやっぱり千歳は笑っていて、私は思わず笑みを漏らしていた
(元々あーいう人なんだろうな...自由で縛られない...なんだかネコみたい)
そんな事を思っていると、千歳を怒っていたらしき人がこちらに向かってくる
近づくにつれてその顔がはっきりすると、私は声を発した
「...白石くん?」
「やっぱさんやった!!千歳連れてきてくれたんやろ?おーきにな」
「ううん、白石くんもテニス部だったんだ?」
「おん、謙也...忍足もテニス部やで」
クラスが一緒の白石くんと忍足くん、それに千歳と今日だけでもテニス部と知り合うなんて...
私は自然と笑みを浮かべていた
「そうなんだ...なんか、嬉しいな」
「嬉しい?」
「うん、私もテニスやってたから」
「っ.....さよか」
ニッコリ笑うに白石は一瞬目を丸くするも優しく笑みを返した
お互いに笑い合っていると、ふいに白石の後ろから千歳が現れた
「なん見つめ合っとーと?」
「おう千歳、なん言うてんねん...オマエ遅れてきてんねんから早よアップ入り」
「せやねー...」
歯切れ悪く言ったかと思うと、千歳はに顔を近づけニッコリと笑った
「もテニスすったい♪」