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四天恋物語★テニスの王子様

第5章 ~CHITOSE SENRI~


新学期、私は職員室に入ると一人の先生の所に案内される
部屋の中なのに、深めに被られた帽子にくたびれたコート

(この人が先生...?)

気付いたその人はヘラッと笑うと私に向き直った

「オマエが転校生のやな?オレは副任の渡邊オサム、オサムちゃんでえーで」

「はぁ...副任ですか?」

「あぁ、担任は産休、なんで自分に何でもきーてや」

「はい...なら一ついいですか?」

「おっ早速!!エエでっなんでもこのオサムちゃんに聞きなさい!!」

「あの、私のクラスは何ですか?」

その問いかけに周りの先生達からはクスクスと笑みが聞こえる
渡邊は少し慌てたように目を泳がすと頭をガシガシとかいた

「あ~...言ってへんかった?オマエは3-2」

「相変わらずやね~オサムちゃんは」

ふいに後ろから聞こえてきた声に私は振り返った
そこには学ランを着た長身の男の人が立っていた

(うわ...すごく大きい)

「なんや千歳、今日は時間通りやないか」

「最初やけんね、待たしたら先生が可哀想と」

「そんな考えも部活の時にも使うたらエエんやけどなー?」

「ははは、努力すったい」

その男の人は笑うとチラリと私に目線を合わせてきた
少し褐色の肌に切れ長の目がとても合っていて、私は男の人ながらに綺麗だと思った

「.....かわいかね」

「.....ぇ?」

よく聞き取れなくて聞き返そうとするも、彼は自分の担任に呼ばれたらしくフッと笑みを浮かべるとその場を去っていった

「センセ...」

「オサムちゃん!!」

「.....オサムちゃんはあの人のコト..」

「千歳?あーアイツはオマエと同じ転校生!でも春休みから先に部活出とってな、も~遅刻やら欠席やらで今日マトモに来ただけでも奇跡やでホンマ」

「へ~...」

私は振り返ると、その彼を見つめた
少しクセのある長めの黒髪が印象的で私は暫くの間、彼を見つめ続けていた

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