第4章 ~OSHITARI KENYA~
謙也は少し混乱する頭の中、でもしっかりとを抱きしめる
「あの、オレ...むっちゃ混乱してんのやけど...でも今こうしてるんは間違いじゃないのやろ?」
「謙也....」
「オレ、ガキやし好きやないとか言ったけど!
ヘタレやし白石達とかに比べたらカッコよくないけど!!
ホンマに超がつくほど鈍感やけどっ!!!
でも...間違ってへんよなぁ?」
謙也は抱きしめている腕を少し緩めると、の顔をしっかりと見据えた
眉を寄せるその顔は危うくも熱を孕んでいて、はドクンと心臓がなるのが分かった
「は....オレのコト好きやんなぁ?」
「うん....好き、大好き」
その言葉を聞いた謙也はまたを抱きすくめた
「ありがとう...オレもむっちゃ好き、が大好きや」
謙也が吐息を漏らしながら耳元で呟くとが縋るように背中に腕を回してくる
それが愛おしくて、また強く抱きしめたのであった
暫くして体を離した謙也はの頬に触れながら片方の手で髪を梳いた
「ホンマはずっと好きやってん...なのに好きやないとか言って、ゴメンな」
「ううん、私も自分の気持ちに気付かなくて...本当は前から好きだったのに...」
「え!?ホンマ?」
「うん、だからあのキスも...イヤじゃなかったよ...」
「っ......」
頬を染めて睫毛を伏せるはあまりにも綺麗で、
謙也は少し息を飲むと自分の中から熱が湧きあがっていく感覚がした
初めて見た時よりも
好きと気付いた時よりも
今の方がよりが綺麗にみえる
「あーもう...あんまそんな顔せんどって...///」
「そんな顔ってどんな...」
が聞き返そうとするもそれは叶わず謙也の唇によって奪われる
「ん....謙也...好き..」
「好き、が大好きや...」
お互い今までにいえなかった分まで伝えるように繰り返されるキスと好きに、やっと繋がった気がして
心が温かくなるのを2人はずっと感じていた
OSHITARI KENYA FIN