第4章 ~OSHITARI KENYA~
「やっと言えたやん、〝好き”て」
「ぁ.....」
「ホンマはずっと好きやってんねんもんなぁ?気付いてへんの自分だけやで?」
「蔵....」
は〝好き”と言わせてくれた白石を見ると、
なぜか涙が溢れてきた
「ああっ!、泣いたらアカン!!そーゆうのは後に取っときなさい!!」
「だって嬉しくて...ありがとう蔵...」
「ホンマにこの子は...」
白石は優しく撫でると目尻に溜まった涙を拭った
「ふふ...なんだか蔵、お母さんみたい」
「ホンマに手のかかる子ばっかやで、生意気な子はおるは、オカマはおるは...」
クスクス笑うを見て、白石は小さく息をつくと
そっとの額にキスをした
「......蔵?」
「ほら、はよ謙也んトコ行ったり...アイツ今頃泣いてんちゃう?」
「う、うん...」
は額を抑えると扉に向かっていった
そして一度振り返り口をパクパクさせると笑みを浮かべて出て行った
「....オレもヤキが回ったんかな」
白石はその場にしゃがみ込むとゴロンと寝転んだ
あーあ
俺も大概、部長気質ナオさんとアカンな
アリガトウ
謙也んトコ行く前にが言ったであろう言葉
そんな笑顔で言われたら素直に行かさんとアカンやろ
「言ったのにな....〝本気な話”て...」
白石は口端を上げると腕で視界を覆った
その切ないような寂しそうな笑顔は誰にも見られることはなかった