第4章 ~OSHITARI KENYA~
その出来事は急に起こった
委員会が終わり、部活に向かおうとが階段を降りていると、踊り場の所に謙也の姿を見つける
「(謙也も委員会だったのかな?)謙也!!」
謙也の元に向かおうと足を速めたは急にガクンと視界が揺れた
足を滑らせた、そう思った時には体は傾いていて思わず目を閉じるが痛みは全くやってこない
(.....?)
そっと目を開けるとの体は力強い腕に抱きしめられていた
「大丈夫か?ケガしてへん?」
「謙也...」
それが謙也だと分かると安心からか力が抜ける
「大丈夫、ありがとう」
「いきなしビックリしたわ、急に走ったら危ないやろ」
「うん...ごめん」
は謙也の腕をキュっと握ると深く息をついた
「?」
「はー...怖かった」
が肩に顔を埋めると謙也はしっかりと抱きしめ直した
「....謙也?」
黙ったままの謙也がどんな顔をしているのか、には見ることが出来ない
(私が怖いって言ったから安心させようとしてくれてるのかな?)
暫くそのままでいるとふいに腕が解かれ自由になる、
「ぁ...ありが―――」
が顔を上げてお礼を言おうとした刹那、唇が塞がれた