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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第10章 【underground】


「えーっと、ハグリッド。紹介するよ、僕の友達のロン・ウィーズリーと、クリス・グレインだ」
「知っとるよ、ウィーズリーんとこの6男坊と、そっちはレイチェルの娘だ、そうだろう?」

 返事の代わりに、ロンとクリスは驚いた表情で目をパチクリさせた。ハグリッドはヒゲに覆われた口をにっこりと持ち上げると、得意げな顔で答えた。

「なんも不思議な事じゃねぇ、俺はウィーズリー兄弟を皆見てきたんだ。特に2番目のチャーリーは俺のお気に入りだったし、4・5番目の双子はしょっちゅうこの森に入りたがって回りをうろちょろしとる。クリスは召喚の杖だ。お前ぇのお袋さんも今のお前ぇさんと同じように、どこにいくにもその杖を持っとったよ」

 何てことだ。からかおうと思っていた杖で、まさかこっちの素性がバレてしまうなんて。残念そうにため息を吐くクリスに、ハリーは笑いながらも安堵のため息を吐いた。これで『呪いの杖』なんかでハグリッドを驚かす事は出来なくなった。
 その後は3人で、この1週間にあった出来事をつぶさに語った。授業中にあった出来事はもちろん、宿題の量が多いと愚痴を垂れたり、普段の出来事だったり、そしてわざわざクリスがマグル製品愛好家だとか、寝坊魔だという事までばらされてしまい、ハグリッドは「お前ぇさんは見かけによらずおもしれぇ!」とお腹を抱えて笑っていた。

「いやあ、レイチェルの娘ってんだからどんな子かと思っとったけど、クリスは顔も性格もあんましレイチェルには似てねえなぁ」
「私は父親似だから」

 家には母の肖像画が3枚あるが、ホグワーツの肖像画達の様に動いたりはせず、変わらない笑顔を向けているだけである。そしてその表情から、クリスとは全く正反対の心優しい自愛に満ちた性格ではないかと推測していた。

「ねぇ、クリスのお母さんって、ハグリッドから見てどんな人だった?」
「レイチェルはな、綺麗で誰にでも優しくって、ほんでいっつも笑っっとた。あの子の笑顔を見てると、なんちゅーかこう……こっちまで胸がぽかぽかしてくるような子だった」
「へえぇ~、クリスのママが……ねぇ」
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