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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第1章 【深窓のご令嬢?】


 子供らしく素直に謝る、というのはこの2人の選択肢にはない。もしかしたらそんな似たもの同士だからこそ、今まで上手くやってこられたのかもしれない。まあそんなことはさておき、2人であーでもない、こーでもないと頭をひねっているうちに、ふとクリスの頭に一つの案が浮かんだ。

「なあドラコ、箒の修理って出来る物なのか?」
「そりゃあ店に頼めば修理くらいはしてくれるだろうさ」
「よし決めた。これからダイアゴン横丁まで行って、箒を修理に出してくる」

 新しく買うより、きっと修理のほうが安く済むだろう。そう考えたクリスは着ていたローブに壊れた箒を包み隠し、ケガの痛みに耐えながら早足で森を抜け家に帰った。そしてしもべ妖精が厨房で水仕事をしている隙に、忍び足で部屋に戻り金を取ってくると、気付かれぬよう煙突飛行でダイアゴン横丁にある箒の専門店へと向かった。

* * *

「随分と派手に扱ったみたいだねぇ……その様子だと、2人乗りに失敗したんだろ?」
「「……はい」」

 壊れた箒を店主に見せると、俯いたクリス達の顔を、渋い顔をしながら叱るような目つきで覗き込んだ。傷だらけの子供2人が、壊れた箒をわざわざローブに包み隠しながら店に持ってきたのだ。言い逃れは出来ないと観念した2人は、うな垂れながら小さく返事をした。

「駄目だよ、この箒は大人用で子供用のと違ってかなりのスピードがでるんだから。それでなくったって箒の2人乗りなんて危険なのに……」
「あのっ――箒、直りますか?」
「う~ん……まぁ、2週間ほどで直せるだろう」

 その言葉を聴いて、クリスとドラコはお互いの顔を見合わせると長い安堵のため息をついた。ちなみに気になる修理代金のほうは後払いで、しかもドラコも責任を感じていたのか半分ほど出してくれると約束してくれた。

 ついでに2人の格好を見るに見かねた店員がケガの手当てまでしてくれ、これで無事問題が解決したと、クリスとドラコは意気揚々とそれぞれの家に帰った。
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