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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第6章 【friend ship】


「そうね、関係ないわ。でももう直ぐ学校に着く時間だから、彼方達に面倒を起こされて到着を遅らせて欲しくないだけよ」
「そりゃ御丁寧にどうも。お節介さん」
「それと一つ言い忘れてたけど、彼方の鼻の頭、汚れてるわよ。……あら失礼、これもお節介だったかしらね、ぼ・う・や?」

 最高の捨て台詞を吐くと、ハーマイオニーはローブをひるがえして去っていった。ロンは窓ガラスに映る鼻を赤くなるまで袖でこすりながら、固く決心したように呟いた。

「……決めた、絶対にあの子とは同じ寮にならないぞ。もちろんあのマルフォイとか言うヤツともだ」
「同感だな。ところで宜しければ、少しの間君たちも出て行ってくれないか?」
「なんで?どうかした?」
「さっき言ってたじゃないか、もうすぐ着くって。だったら制服に着替えなきゃ。こういうときは“レディー・ファースト”だろ?」

 やや“レディー・ファースト”という言葉を強調するクリスに、男達はあっさりとコンパートメントを追い出された。ゆらゆらと揺れる廊下の明かりを見つめながら、これまでの列車の旅路でのことを思い返し、ロンは小さくハリーに耳打ちした。

「僕、出来ればこれから女という生き物には関わらずに生きていきたいよ。……ああハリー、君と友達になれて本当に良かった」
「僕もだよ、ロン。君は最高の友人だ」

 ほどなくして着替え終わったクリスが出てきた時には、男共の友情が彼女達のおかげで磐石のものになっていた。もちろん本人はその事を知る由も無く、ただ顔を見合わせてクスクスと笑いあうハリーとロンを、クリスは首をかしげて見ていた。

* * *

 列車を降りると、すでに小さなプラットホームはホグワーツの生徒でいっぱいになっていた。1年生から7年生までの生徒が押し合いへし合い群れを作り、出発時より大混乱になっている。危うくクリスがその群れに押しつぶされそうになっていると、カンテラを持ったひげモジャの大男が凄い力でクリスのローブを引っ張り、助け出してくれた。

「どっ、どうも……助かりました」
「おめぇさん、イッチ年生だろ?だったら俺について来い。おーい、イッチ年生!イッチ年生はこっちに集まれ~!!」
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