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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第6章 【friend ship】


 その言葉を言った後、ハリーとロンはとっさにお互いの口を押さえたが、遅かった。それはクリスにとって禁句中の禁句であり、そのことに2人が気づいたのは、彼女の目が大きく見開かれた後、射殺しそうなほど鋭くなってからだ。
 すでにクリスの視線は目の前の2人を捕らえ、頭の中はドラコへの怒りよりもまず先にこいつらをどうしてやろうかという裁断に移り変わっていた。

「よく言った、2人とも。覚悟はいいな?」
「い、いやいや待ってよ!僕は綺麗な子だな~とは思ってたよ。でも、まさか女の子とは……」
「ロン!!君ってばなんて事を!」

 またもや余計な一言を言ってクリスの殺気を増やし、あたふたと慌てふためくハリーとロン。
 その様子を見ながら、今までの楽しく過ごした数時間、全く疑問も持たずに男として接せられていたと思うとクリスはだんだんと虚しくなってきた。多分「フィアンセ」という言葉を聞いた時も、女だったという事に驚いて大声を上げたんだろう。

 もはや虚しいというより情けない気分だった。やはりこんな顔は、他人を騙す時ぐらいにしか役に立ってはくれないらしい。

「ま、いいだろう。……2人とも、私に貸しを作っておいて良かったな。じゃなかったら今頃、その役立たずの目玉をネサラにくり抜かれてるところだ」

 かなり物騒だったが一応のお許しを貰え、ハリーとロンはほっと息をついた。だがそれもつかの間、またまたコンパートメントの扉が前触れなしに開き、あの小憎らしい栗毛のハーマイオニー・グレンジャーが姿を現した。

「また君かよ……」
「今度は何のようだ?ハーマイオニー・グレンジャー」
「もの凄い騒ぎ声がしたから様子を見に来ただけよ。彼方達まさか学校に着く前から問題を起こす気じゃないでしょうね?」
「もしそうなったら、君に関係があるってのかい?」

 いいかげん、これまでの事件でたまったウサをぶつけるかのように刺々しい3人の言葉に、ハーマイオニーは憤慨したように口を尖らせた。
 彼女からしてみれば「せっかく注意しにきてあげたのに、何て態度だ」とでも言いたいんだろう。だがそれは全くの大きなお世話というヤツだった。
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