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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第6章 【friend ship】


「そうかい、それならいいさ。君が両親と同じく無様な人生を選ぶというのならね。でも、クリスは僕らと一緒にくるんだ!」
「嫌だっ、放せ!」
「止めろよ、嫌がってるじゃないか!」

 二の腕をわし掴み、無理やりクリスを連れて行こうとするドラコに、ロンとハリーが立ちふさがった。すると、それを待っていましたといわんばかりに、クラップとゴイルが2人に前に進み出た。
 体型からして、どうしたってハリーとロンの方が不利なのは明らかだ。ドラコは不敵に笑った。

「僕らとやろうってのかい?いいさ、なんなら力ずくで来な。こいつらも、ここにあるお菓子に興味があるみたいだしね」
「2人とも危ない!」

 クラップとゴイルの大きな図体がハリーとロンの体を押しのけて、その先にあるお菓子の山に手を突っ込んだ。2人の細いからだが壁に叩きつけられたが、なぜか先に絶叫を上げたのはクラップの方だった。

「ウッギャーー!!な……なんだコイツはぁ!?」

 痛みにもだえるクラップの指先には、なんとロンのスキャバーズがガッチリと噛み付いていた。それ振り落とそうと半狂乱になって手を振り回すクラップに怯み、一瞬ドラコの拘束が緩んだ。その隙を見逃さず、クリスは思いっきり腕を振り払った。

「追い払え、ネサラッ!」

 クリスが一声かけると、それに反応したネサラがすぐさま戦闘体制に入った。大きな嘴と太い爪が容赦なく襲い掛かり、ドラコ達3人はその攻撃にろくな抵抗も出来ず追いやられ、最後はなだれ込むようにしてコンパートメントから逃げ出した。

「あーーっ、腹が立つ!あのワガママお坊ちゃまめ。絶対に婚約なんて破棄させてやる!!ネサラ、しばらく外を見張ってろよ。またドラコが来たら遠慮なく襲ってやれ」
「…………」
「……あの、さ。クリス?」

 嵐の御一行様が去った後、床をぶち抜く勢いで地団駄を踏み、青筋を立てて怒りをあらわにしているクリスに対して、ハリーとロンは静かに困惑した顔でクリスの顔をじっと見つめていた。

「どうした、どこか怪我でもしたか?それとも私の顔に何かついてるのか?」
「ううん、そうじゃなくって……君って――」
「――もしかして女の子だったの?」
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