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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第33章 【未来を掴め】


「絶対にいかせない。これ以上減点されたら、グリフィンドールがどうなると思ってるんだよ」
「あのねネビル、これは違うの。前とは違うのよ」
「何が違うんだよ!君たちがまた外に出て見つかったら、グリフィンドールに迷惑がかかるのは変わらないじゃないか!」

 ネビルは叫ぶと、談話室の出入り口の前に立ちふさがった。両手を大きく広げ、どうあっても4人を通さないつもりだ。

「ここは絶対に通さないぞ。どうしてもっていうなら、僕と戦え!」
「ネビル……私たちにはそんな事をしている時間は無いし、君とそんな事をしたくもない」
「分からないだろうけどこれは凄く重要な事なんだよ。頼む、そこを通してくれ」
「嫌だ!ぼくはもう決めたんだ、逃げないって!さあ、かかって来いよ」

 ネビルはついに拳を構えた。まさかこんなところで邪魔が入ると思っていなかったクリス達は、本当に困り果てた。しかしいつまでもこんな所で時間を無駄にする訳にはいかない。それじゃあご所望通りにと拳を握るロンの前に、杖を構えたハーマイオニーが進み出た。

「ネビル、本当にごめんね――ペトリフィカス・トタルス!」

 ハーマイオニーの杖先から光が放たれネビルを直撃すると、ネビルはまるで1枚の岩のようにぴったりと両手両足を閉じ、その場に倒れこんだ。

「何したの?」
「全身金縛りの魔法をかけたのよ。……ネビル本当に、本当にごめんなさい」

 金縛りでも、眼は動くらしい。ネビルをまたいで談話室を後にしようとする4人の姿を、眼だけがギョロッと動いて追いかけた。4人はそれぞれネビルに謝ってから、マントに隠れ廊下に出た。

 重いノーバートを運んだ時も決して楽ではなかったが、4階の禁じられた部屋までの道のりもかなり冷や汗をかかされた。それでもクリスがなるべく先生やゴーストのいない道を選んだお陰で、なんとか見つからずに4階まで辿り着く事ができたが、その代わり少し回り道をしてしまい予定の時間よりかなり遅くなってしまった。

「まずいっ、もうスネイプがフラッフィーを突破した後だ!」

 扉が少し開いていて、そこから微かに音楽と動物の寝息が聞こえた。部屋に入ると、天井までとどくほど大きな三頭犬が、丸くなってグルグル不気味な音を立てて寝ている。その傍らに、ハープが独りでに奏でられていた。
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