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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第33章 【未来を掴め】


「ハグリッドはずっとドラゴンが欲しくてたまらなかった。そこに偶然、法律で禁じられている厄介なドラゴンのタマゴを持った人間が店に立ち寄り、偶然ハグリッドに話し掛けた。そして偶然賭けに勝ってハグリッドはタマゴを手に入れた――どう考えたってこんな都合よく行くはず無いよ。なんで今まで気付かなかったんだろう!」

 坂道を滑り降りるように全力疾走でハグリッドの小屋に駆け込むと、ハグリッドはのんびりお茶の用意をしている所だった。

「よう、お前さん達ちょうど良いところに来たな。今日で試験は終わったんだろう?どうだ、お茶でも飲んでいかねぇか」
「ありがとう、でもそんな時間無いんだ。ねえハグリッド、ドラゴンのタマゴを手に入れた時、賭けをしたって言ったよね?どんな人だったか覚えてる?」
「どんな……って、顔はわからん。なにしろ真っ黒いローブを着とったし」

 クリスとハリーは顔を見合わせた。あの晩森で出会ったやつも、真っ黒いローブを着ていた。

「そんな驚く事じゃない、そこのパブにはそんな連中がウヨウヨいる。多分ドラゴンの売人だったんだろう、用心深くて、顔は絶対見せようとしなかった」
「じゃあなんでドラゴンの売人が、厄介払いで商品のタマゴを賭けに出したのか。ハグリッドは疑問に思わなかったのか?」
「う~ん……言われてみればそうだなあ……でもあの時は酒を大量に飲んでたし、頭がボーっとしててなぁ……なにしろそいつが気前良く沢山おごってくれるもんだから」
「そいつ、ハグリッドにお酒を飲ませながら何か聞いてこなかった?」
「うむ、俺がどんな仕事をしているか聞いてきたな。だからホグワーツで森番と家畜の世話をしてるって答えて……そしたら『じゃあきっと動物が好きなんだな』って聞いてきたから、ネコ以外はなんでも好きだっていったんだ。そうそう、特にドラゴンが一番好きだってな。そうしたら相手が『自分がドラゴンのタマゴを持っているから賭けをしないか』って言ってきたんだ」

 やっぱり思ったとおり、話がうま過ぎる。それに酔わせて話を聞きだそうなんて、相手はハグリッドの扱い方をよく知っている。つまり面識のある相手、スネイプだ。

「それでスネ――じゃなかった。その人との勝負にハグリッドは簡単に勝っちゃったの?」
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