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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第33章 【未来を掴め】


「痛むの?ハリー、マダム・ポンフリーに相談した方がいいんじゃない?」
「行ったってしょうがないよ。これはただのケガや病気じゃない……きっと警告なんだ、危険が迫ってるっていう」
「それならこれから皆で4階に行ってみないか?フラッフィーが無事かどうか確かめよう」

 クリスはサッと立ち上がった。本当は森から帰ってきた時からずっと行ってみたかったのだが、これ以上余計な事に首を突っ込むのは良くないと言われ、ハーマイオニーに止められていた。

「駄目よ、危険だし行く必要ないわ。スネイプがフラッフィーを突破する方法を見つけたって証拠もないし、それにダンブルドアがいる限り『賢者の石』が盗まれるもんですか」
「それでなくったってアイツは一度フラッフィーに足を噛み千切られそうになってるんだ。完全に突破できる保証もない限り、もう1度つっこむなんてバカしないよ。それにハグリッドも言ってただろう。『三頭犬なんて滅多にお目にかかれるもんじゃないから、資料だってあるわけない』って。きっとあの山のような図書館の本を調べたって、見つかりっこないさ」

 たしかにハーマイオニーとロンの言う事も一理あるが、今や相手はスネイプ1人ではなく、裏にあの「例のあの人」が存在しているのだ。世界を震撼させた力を持つ人物が、図書館の本で調べるなんて地味な事をさせるだろうか。きっととんでもない打開策を考えるに違いない。
 ハリーもクリスと同じ考えなのか、難しい顔で腕組みをし、なにか見落としていないか必死に考え込んでいた。そして頭をひねること数分、突然ハリーが何かに気付いて目を見開いた。

「そうだよ……“滅多にお目にかかれない”……そうだよ!」
「どうしたんだよ?」
「おかしいだろう、“滅多にお目にかかれない”ドラゴンが、どうしてそう簡単に手に入るんだよ!」

 クリスとハーマイオニーは「あっ!」と悲鳴をあげたが、ロンは分からず首をかしげている。ハリーは丁寧に説明している時間も惜しいのか、ロンを立ち上がらせるとハグリッドの小屋に向かいながら早口で説明した。
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