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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第30章 【チャーリーからの手紙】


 ノーバートの木箱に透明マントを被せ、自分たちもその下に潜り込むと、ついに3人と1匹はハグリッドの小屋を後にした。ノーバートは思ったよりもずっと重く、しかもいつどこでフィルチやミセス・ノリスが出てくるんじゃないかとヒヤヒヤしながら、3人は汗だくになって夜の城内を歩いた。
 途中何度かノーバートが暴れるので箱を落としかけたり、汗で手が滑ったりで苦労の連続だったが。なんとか無事に塔の天辺まで辿り着く事が出来た。

 天文学の塔の周りは星空が広がり、まだチャーリーの友達どころかふくろうの1匹も見当たらない。しかしここまで来ればもう安心だろう。クリスはヒモを解いて背中に背負っていた杖を右手に持ち替えた。やはりこうでないと落ち着かない。
 3人は、はやる気持ちを抑えながら彼らの到着を待った。今か今かと空を眺めていると、夜空の中から5本の箒が現れ、クリス達の前にふわりと降り立った。皆若くてガタイの良い人ばかりだったが、その中でも一番若くて体のがっしりした青年が、ハリーの前に進み出た。燃えるような赤毛に、顔には無数のそばかすがある。

「あれ?なんだ、うちのロンはいないのか」
「あの……もしかして、貴方がチャーリー?」
「そう、俺がロンの兄貴のチャーリー・ウィーズリーだ。始めまして、ハリー」

 チャーリーは白い歯を覗かせながらニコッと笑うと、ハリーの手を握って大きく上下させた。ドラゴン関係の仕事をしているだけあって、体は縦にも横にも大きく、ロンと違って骨太の印象を受ける。しかし満面の笑顔は、ロンの笑った時にすごく似ていた。むしろ18歳という年齢を考えると、チャーリーの方が少し子供っぽいような気もする。

「でも、ここに来て大丈夫なんですか?手紙には仕事で来られないって……」
「ああ、始めはその予定だったんだけど……なにせノルウェー・リッジバックだろ?少しでも早く見てみたくってさ、無理矢理都合をつけて来たんだ」
「3人とも気にしなくってもいいぞ。こいつのドラゴンバカは筋金入りで、ドラゴンと聞けばどこへだって飛んでいくようなやつなんだ」

「例え仕事をほっぽってだってな」と近くにいた彼の友人がそう言って冷やかすと、チャーリーは眉をハの字にして、少しはにかむ様に笑った。
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