第28章 【過ぎ去りし平穏の日々】
「ま、まあこのホグワーツで、俺の知らない事なんてあるわけねぇさ――賢者の石に関わっている先生だって、皆知っとる。まず俺だろ、それからスプラウと先生に、フリットウィック先生。クィレル先生にマクゴナガル先生、そしてスネイプ先生の6人が賢者の石の為に色々魔法を施したんだ。あともちろん、ダンブルドア先生もな」
「ちょっと待って、スネイプだって!!?」
「そうだ、スネイプ先生だ。だからお前さん達が何を勘違いしているのかは知らないが、石を守る側にいるスネイプ先生が盗もうとするはずがない」
ハグリッドは自信満々に言ったが、クリス達は誰一人としてそう思ってはいなかった。寧ろスネイプはその立場を利用して、今まで怪しまれず内情を探ってきた違いない。そして残すはハグリッドのフラッフィーのみとなったのだ。
「そんな顔せんとも、誰もフラッフィーを大人しくさせることはできねえんだ、心配するな。もちろん、俺とダンブルドア先生以外だけどな」
「本当に?本当にハグリッドと校長先生以外あいつを大人しくさせる方法を知らないんだね?」
「ああ、間違いねぇ。そもそも三頭犬なんてめったにお目にかかれるもんじゃねえんだ。調べようったってまず、資料事体がねえだろうな」
ニコラス・フラメル同様、ハリーたちが今度は三頭犬について調べようとしていると勘違いしたんだろう。ハグリッドは4人に向かって釘をさした。
他にも言いたい事は山々だったが、今はハグリッドのその言葉を信じるほかはなかった。もう用もないので小屋を後にしようとした、その時、ロンが暖炉の中で何かが燃えているのを見つけた。
「ハグリッド、それ……それってもしかして……」
「ああ、えーっと……これは、その……」