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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第25章 【覚悟完了!】


「今ここでお前との縁は切らせてもらう!二度と私に話しかけるな!」
「あぁ結構だね、僕だって君みたいな乱暴者には付き合ってられないさ!」
「それなら良かった。ハーマイオニー、ロン、行くぞ。コイツと同じ空気を吸うのもいやだ」
「これで清々するよ。グラップ、ゴイル、戻るぞ。こんなヤツ視界に入れるだけで苛々する」

 教職員テーブルから誰かが飛んで来る間もなく、クリスとドラコは怒りをあらわに大きな足音を響かせて、大またで大広間を後にした。熱くなるなと忠告したのに、案の定ドラコまで敵に回したクリスに、ロンとハーマイオニーはそろってため息をこぼした。

 そしてロンの言っていた通り、このドラコとの衝突は何の問題の解決にもならないばかりか、余計に事態を悪化させてしまった。せいぜい喜んだのはパンジー・パーキンソンくらいで、これでドラコのネビルいじめもなりを潜めるわけがない。むしろドラコは喧嘩の鬱憤を晴らそうと、益々いじめは酷くなるという有様だった。
 しかもドラコと喧嘩したからといって、ハリーがクリスを許すわけも無く、何の進展も無いままただ時間だけが無情に過ぎていった。

「……はぁ……」

 ハリーにろくに口も聞いてもらえないまま迎えたグリフィンドール対ハッフルパフ戦の朝は、クリスにとっていつも以上に気の重い朝となった。対照的に周りの生徒はお祭り気分で騒いでいるから、余計にクリスの顔に影がかかったように見える。

「なあ、どうしても行かなきゃ駄目かな?」
「ダメよ。ハリーと仲直りしたいんでしょう。それでなくても、もう1ヶ月もハリーと口聞いてないじゃない」

 もし今日グリフィンドールが勝てば、お祝いムードに便乗して久々にハリーと話が出来るかもしれないと、ハーマイオニーは言った。しかしクィディッチ観戦なんて元から好みでないし、もしグリフィンドールが負けたらと思うと、それだけで気が滅入る。

「元気出してよ、今度こそきっと上手くいくわ」
「でも許してくれる保証なんてないし、それに、グリフィンドールが勝つとも限らないだろう」
「「なにぃ!?それは聞き捨てなら無いな!」」
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