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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第23章 【welcome home!】


「他にも沢山いて、昔とは比べ物にならないほどなんです。授業も……苦手なのもありますけど、面白い教科も沢山あります。天文学とか、魔法薬学とか」

 魔法薬学の名前を出した時、クリスの脳裏にスネイプの顔が蘇った。しかし今は母への報告の最中だ。クリスは一先ずスネイプの事は頭の隅に追いやった。

「母様、私は未熟でまだ召喚術も使えません。ですが母様から受け継いだこの力を、大切に育てて行きたいと思っています。私が本当に召喚師として成長するまで……どうか、見守っていてください」

 最後に召喚術に関して自分なりの心構えを告げると、立ち上がって石碑を見下ろした。クラウスも同じように無言で立ち上がると、寂しそうな顔で石碑を見つめている。その青白い横顔を、クリスはジッと見つめた。
 こうして見てみると、クラウスとスネイプの顔は全然違う。しかし雰囲気というか、根暗そうなイメージはやはりどこか重なるところがある。
 父の顔を凝視しながらクリスはぼんやりそんな事を考えていると、クラウスの眉間にシワが寄り、ローブと同じく真っ黒い瞳がクリスを捉えた。

「何か言いたい事でもあるのか?」
「あっ…いえ、そういう訳じゃ……」

 一度は言葉をきったクリスだったが、この際思い切って聞いてみる事にした。

「あの、父様はセブルス・スネイプという人をご存知ですか?」
「スネイプ?――クリス、何処でその名前を?」
「何処でって……ホグワーツです。先生ですから、魔法薬学の」
「教師!?あいつが……教師?」

 クラウスの驚きようといったらなかった。細い目を見開き、呆然と口を開けている。どうやらクリスがスネイプの事を知っていた事よりも、ホグワーツで教鞭をとっている事の方が意外だったらしい。クリスとしては、いつも無口で無表情の父がここまで驚いている事に驚いた。

「と、父様?」
「ん?ああ、済まない――もちろん知っている、あいつはスリザリンの後輩だった。しかし話した事は殆ど無かったな……噂はよく耳にしたが。彼に関しては私よりルシウスの方が親しいぞ」
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