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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第20章 【detective】


 ハリーがスニッチを掴んだのがよっぽど気に入らなかったのか、対スリザリン戦以降ドラコは前にも増してハリーにちょっかいをかけてくるようになり、その度にドラコとクリスとでちょっとした言い合いになっていた。
 朝の不機嫌さも手伝っていつもより冷たく言い放と、ドラコはツンッとそっぽを向いた。

「あぁそうかい、君はいつだってポッター達の味方なんだな。そんな友達甲斐の無い奴だなんて知らなかったよ」
「今はお前に非があるからだ、別にどっちかの味方についた覚えはない」

 仮にも10年来の友達に“友達甲斐がない”と言われたのは少なからずショックだった。こみ上げてくるモノを必死に飲み込みクリスは気丈にそう言うと、それを待っていましたと言わんばかりに、ドラコの口元が持ち上げられた。

「へぇ……まあいい、そういう事にしといてあげるよ。それに君がそう言うのなら、再来週の家に帰る列車では今度こそ僕と乗るのに異存はないって事だ」
「はあ!?私がいつそんなこと言った」

 声を上げたのはクリスだったが、ハリーもロンもハーマイオニーも眼を見開いて顔を見合わせた。

「別に驚くことじゃないだろう。僕と君は許婚同士だ、それに前にも君は僕の誘いを無碍にしたんだし、その埋め合わせをしてくれてもいいんじゃないか?」
「ちょっと待て、それはお互い水に流すって――」

 そこまで言って、クリスははたと口を閉じた。そして少し考えるように目線を逸らすと、一瞬ニヤリと笑ってまた目線を戻す。

「――いや……そうだな。もう直ぐクリスマスだし、たまには幼馴染み皆で揃うのも悪くないか」

 「なぁ」と小首をかしげてドラコ達に笑いかけると、後ろに控えたグラップとゴイルはつられた様に笑ったが、ドラコは一瞬表情が固まった。
 自分から話しを振っておいて、こうも簡単にクリスが聞き入れてくれるとは思っていなかったらしい。2、3秒ほど考えてから、ドラコはやっといつも通りのこましゃくれた笑みを浮かべ、上機嫌でグラップとゴイルを引き連れて大広間を後にした。

「クリス、君はいったい何を考えてるんだよ」
「そうよ。いくらクリスマスだからって軽率な行動は慎んだ方がいいわ。あなた達は幼馴染かもしれないけど、マルフォイはスリザリンなのよ。もしかしたらスネイプの罠かも知れないわ」
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