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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第17章 【祭りの後で】


「…くくく、ははは……あっはっはっはっは!も、もう駄目だ……ふははは――」
「どうしてそこで笑うのよ!」
「だってまさか、こっ……この私を、そんなに過大評価している奴が……いるっ、いるなんてな」

 おそらく他の連中が聞いたら、誰もが大きく首を振って否定するだろう。お目付け役のチャンドラーは下らない本ばかり読んでいるクリスに、いつも「勉強しろ、勉強しろ」と口がましいし、我を突き通すクリスにハリーもロンもしょっちゅうため息をついている。物の捕らえ方は人それぞれだが、こんなに大層に讃えられてもまるで褒められている気がしない。

 耐え切れずおなかを抱え込むようにベッドに横たわったクリスを、グレンジャーが上から覗き込んできた。間近で見る彼女の顔には幾筋もの涙の痕が見られたが、表情そのものは和らいでいて、もう涙が出る気配は無い。きっとこれが彼女の素顔なんだろう。

 いつも小生意気そうにツンとすました“知ったかぶりのハーマイオニー”も、こうやって自分と同じように悩んで苦しんでいる普通の子供なんだ。そう思うと驚き半分、さっきの召喚術の時と同じように、急にグレンジャーに親近感が湧いてきた。
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