第11章 【刺激的な授業】
「そういえば、ドラコが貴女と婚約したって聞いたけど、いったいどれだけのお金をつんだのかしら?あら失礼、貴女の家にはつむほどお金が無かったわね」
「へぇ、その事を知っているなら話は早いな。それならさっさとお前の家でお金をつんでドラコを買い取ってくれないか?こっちは迷惑でしょうがないんだ」
「クリス、ちょっとクリスってば!」
「何だパーバティ、話しなら後にしてくれないか。上手くいけばこいつがドラコを引き取ってくれるかもしれないんだ」
「そのドラコが今ハリーと空の上にいるのよ!!」
「そうかそれは良かっ――何だって!?」
確かにパーバティの言うとおり、空を見上げると空中でドラコとハリーが対峙している。クリスもパンジーもすっかりお互いの事を忘れてその様子に食い入った。ドラコは何度も箒に乗ったことはあるが、ハリーは間違いなく今日が初めてのはずだ。しかしハリーの箒はしっかりと空中で安定し、ドラコの飛行術に全く引けを取っていない。
空での彼らの言い合いは地上ではやしたてる野次馬達の声にかき消され、分かる事といえばハリーが何かを求めてドラコの方に腕を伸ばしている事くらいだ。そしてドラコの手から小さなボールのようなものが落とされると、ハリーがそれを追いかけ、矢のように地上に向かって疾走しだした。