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ハリー・ポッターと小さな召喚士

第11章 【刺激的な授業】


 その場にいた誰もが、ハリーが地面に激突すると思った。それほどハリーのスピードが速かったからだ。だがハリーは地面スレスレのところで小さなボールをキャッチすると、素早く箒を水平に引き戻し、傷1つ負わずに地上に降り立った。その箒捌きはとても素人の成せる業ではない、たちまちグリフィンドール生からハリーへの賞賛と歓声が巻きおこった。

「――……ミスター・ポッター!!」

 驚きに震える声が校庭に届くと、それまで熱狂的に騒いでいた生徒達が一斉に口を閉ざした。いかにホグワーツといえど、たったの一声で生徒達を黙らせる事のできる教師は少ない。

「まさか、いくらなんでも。――こんなことはホグワーツで1度も……1歩間違えればロングボトムの二の舞になっていたかもしれないのに」

 あのマクゴナガル先生が目を大きく見開いて、明らかに動揺していた。おそらくマダム・フーチに依頼されて生徒達の様子を見に来たのだろう。そして言いつけを破り、箒で空から滑走してくるハリーを目撃してしまったのだ。ハリーの顔から笑顔が消え、興奮がしぼんでいくのが傍目にも分かった。

「ついて来なさいポッター、話があります」
「……はい」

 この重力が倍になったような重い空気に、ハリーは言い訳一つする気力もなかった。他の生徒も、あのグレンジャーでさえ一言も発せず、ただマクゴナガル先生にうな垂れながら着いて行くハリーの後姿を黙って見つめていた
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