第2章 月島夢01
「……………。」
「……………。」
それから無言で歩く私と月島。
何よ、いつもみたいにからかってきなさいよ…!と少し思うけど、そんなこと言ったらわざわざ自分から意地悪をされたいと言ってるようなもんだから何も言えずにいる。
………き、気まずい。
どうしようかなーと考えていたら声をかけられた。
「…ねぇ。」
「っ、な、何?」
「もう少しこっち寄りなよ。肩、濡れてる。」
確かに月島に遠慮して傘に入ってたから私の肩は少し濡れている。
でもだからと言ってすぐにそばに寄るのも普段の私達の関係上、何だか違う気がするし……と悩んでいたらぐっと肩を掴まれて、月島の方に引き寄せられた。
一気に月島が近くなって………気付いたら月島の腕にくっついていて…顔が熱くなる。
「ちょ、ちょっと!月島、近い!!」
「…うるさいな、傘に入れてあげて、更にわざわざ濡れないようにしてあげてるんだから文句言わないでくれる?」
ぐっと言葉に詰まるけど、でも恥ずかしくて堪らない。
「…つ、月島、お願いだから少しだけ離して……。」
見上げて頼んだところで、今までこっちを見てなかった月島が私を見て……月島の口が開きかけたまま止まった。