第3章 磨励自彊ー2日目ー
昼食が終わり、干してくれてあったビブスを取り込んでそれを抱えて体育館へと向かう。これからまたゲーム三昧なのだ。
「大地君ー孝支君ー人数分ビブス持ってってー」
体育館に着けば烏野チームに声をかけた。
走ってきてくれた2人に頑張ってと言えばビブスを渡した。
よし、ドリンク作って…と考えていると武田先生に呼ばれて。
「すみません、ちょっとテーピングが切れちゃって。買い出し頼んでも良いですか?誰か一緒に…」
「大丈夫ですよ。スマホ見ながら行ってきますから。みんなの貴重な練習時間を奪うわけにもいかないですし」
「では、お願いしますね」
申し訳なさそうな武田先生に笑顔で行ってきますと言えば、お金を預かり体育館を出て、スマホの地図を見ながらスポーツショップを目指して歩く。
目的のスポーツショップは案外近くにあった。
そこまで時間かからなくてよかった、と思いながら店内に入る。
「えっと、テーピングは…」
あまり広くない店内、キョロキョロとすればテーピングのコーナーを見つけていつも使っているものを探す。
が、その棚だけが全て空。
店員に声をかけて在庫の確認をしてもらうと、丁度切れていて取り寄せになるらしい。それならばと断って別のスポーツショップへ。
確か大型ショッピングモールがあったよなと思い出せば、あまり遅くなると心配かけるからと時間を確認しながら歩みを速めた。
9月とはいえどまだ暑い。
慣れない道を歩いているので余計体力を使っているらしい、まだショッピングモールに着いていないにも関わらず疲れてきた。
こんなことになるのだったら誰かについてきてもらうべきだったと今更後悔するも、この場から青城に引き返すわけにもいかなくてまた歩き出す。
大型ショッピングモールに着いたのは青城を出てからだいぶ経ってから。連休中だからだろうか、店内はとても賑わっていた。
心配かける前に戻らないと、と思えばフロアガイドを見てスポーツショップを探す。3階にあるのを見つければ、エスカレーターに乗ってその店を目指して歩いた。
「やっと着いたー…」
無事に目的のスポーツショップに着けば、大きく息を吐いた。
探していたテーピングを見つけ、幾つか籠に入れればレジに並んで購入した。
よし帰ろう、と歩き出せば足に何かが抱き付いてきて、思わずビクッとすれば立ち止まって下を見た。