第2章 為虎添翼ー1日目ー
両校の部員たちが食堂に集まると、みんな身長が高いため凄い圧迫感。仁花ちゃん大丈夫かな…?あ、ダメだ怖がってる。
「仁花ちゃん、私お茶配るから烏野の方見てきてくれる?」
「は、はひぃ!スミマセン」
「大丈夫、慣れだよ慣れ」
はい笑顔ーと仁花ちゃんの頬をむにむにとしてやれば仁花ちゃんにも笑顔が戻る。よし、青城にお茶持ってくか。仁花ちゃんの頭を軽く撫でてからトレーを持ってレギュラー陣の方へ。
少し話して、みんなの好物を食事として出してあげるのも有りだななんて思った。牛乳パンは無理だけど。
ふと視線を烏野へと向けると、賑やかな食事風景。
特に本能で動く組が。夕君と龍之介君は潔子ちゃんにおかわりって騒いでるし…
「京香さん!おかわり下さい!」
「あ!京香さん俺も!」
「わ、わかったから落ち着いて…食べ過ぎたら午後動けなくなるから気をつけるんだよ。はいどうぞ」
「「あざーす!」」
飛雄君と翔陽君は競うように食べている。よく食べるのはいいことなんだけど、午後のことを考えると心配になってくる。
「京香さん、俺ももう少しもらっていい?」
「はいどうぞ。孝支君も食べ過ぎたらダメだよ」
「ありがとうございます。影山と日向には負けられないし、京香さんが作ってくれた御飯美味しくて…俺の為に作って欲しいくらい」
「こっ、孝支君…!」
「ははっ、京香さん可愛い…かっこいいとこ見せなきゃな」
孝支君にもおかわりを渡せばジッと見つめてきて、笑顔のまま彼曰くアピールの言葉をストレートに言ってくるのでドキドキしてしまい顔が赤くなる。
「京香さんもそろそろご飯食べて下さい。後は僕が…」
「武田先生…そうですね。おかわりも落ち着きましたし、お言葉に甘えさせてもらいますね。」
武田先生に声をかけてもらえば顔の火照りを冷まし、自分の昼食を持ってどこに座ろうかとキョロキョロあたりを見回す。
「京香さん、ここどうぞ」
「ありがとう、大地君も旭君もちゃんと食べた?」
「はい、美味しかったです」
「それなら良かった。潔子ちゃんも仁花ちゃんも頑張ってくれたから」
私を見つけてくれた大地君が手招きして席を空けてくれたので、大地君と旭君の間に座り、烏野に交ぜてもらう形でご飯を食べ始めた。